イラストで分かるハーバード式ファイトケミカルスープの超効果的な作り方

イラストで分かるハーバード式ファイトケミカルスープの超効果的な作り方
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野菜のファイトケミカル。

医療現場でも注目される、この植物成分。抗酸化作用抗がん作用など、幅広い効能が研究されています。

そして今、その栄養素をフルに活用する調理方法があります。それがハーバード式野菜スープです。

しかしその効果を最大化するには、効果的な作り方が多数存在します。ここでは論文に基づいた具体的な作り方を、イラスト付きで詳しくご紹介します!

この記事をお読みいただくと

  • ファイトケミカルの基本と効果が分かる
  • ハーバード式野菜スープの作り方が分かる
  • ファイトケミカルスープの超効果的な作り方が分かる



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ファイトケミカルとは?

ファイトケミカルとは?

ファイトケミカル。

この攻撃的な名前の成分は、そもそも何者なのでしょう。 まずは、その正体具体的な効能から見てみましょう。

ファイトケミカルとは?

野菜に防衛本能として備わった、様々な効能を持つ化学物質。本来は野菜が天敵から自分防衛するための成分だと考えられ、その高い抗酸化作用健康増進効果により、ベジタリアンからの指示も多い。

その強い抗酸化作用は、雨や紫外線から自身を守る武器として考えられます。同時に古くから利用されるこの植物栄養素は、消炎鎮痛剤であるアセチルサリチン酸アスピリン等)の開発にも繋がった過去を持つ。いまだ研究段階ではあるが、アメリカを始めとする多くの国で注目を集める成分です。

つまりファイトケミカルとは、植物本来の力のこと。雨が降っても木の下に逃げられない、自己防衛としての植物の強い抗酸化作用なのです。

そしてそのファイトケミカルの種類は、1種類ではなく約5000種類。自然界の植物が、それぞれ様々なファイトケミカルを持っています。

自己防衛のアルカロイドガンを持つ 闘争本能むき出しのスプラウトさん
例えば、新芽であるブロッコリースプラウト。彼はアルカロイドと言われる武器を元に、自身を防衛しています。

さらにダイエット・健康食としても人気の玄米も同様です。彼もまたアブシジン酸と呼ばれる、独自のファイトケミカルを持っています。

自己防衛のアブシシン酸銃を持つ 警戒心の強い発芽前の玄米さん

この様に、ファイトケミカルの種類は多種多様。それぞれが生き残るために、強い抗酸化作用をその美味しい体に隠し持っています。

そして中には抗がん作用が期待される成分も、研究によって明らかになりました。その上動脈硬化予防解毒作用など、その効果もどんどん解明され始めています。

ではここで、ファイトケミカルに期待される効果を見てみましょう。各成分がどのような効果を持つのか、ざっとご覧ください。

ファイトケミカルに期待される効果

ファイトケミカルの種類 主に含まれる野菜 期待される効果
カロテノイド ブロッコリー
人参
加熱トマト
葉物野菜
サツマイモ
カボチャ
抗酸化作用
抗がん作用
免疫向上
フラボノイド
※イソフラボンなど
玉葱
大豆製品(大豆・豆腐等)
黒米
玉葱
抗酸化作用
免疫補助
腰痛悪化予防
解毒酵素生成
更年期障害改善
骨粗鬆症予防
フェニルプロパノイド 胡麻 抗酸化作用
動脈硬化予防
イソチオシアネート類 ブロッコリー
キャベツ
ケール
カリフラワー
抗酸化作用
解毒作用
抗がん作用
システインスルホキシド類 ニンニクなど 解毒作用
免疫力向上
スルフィン類 ニンニクなど 抗酸化作用
動脈硬化予防
強い…( ゚Д゚)

ご覧の様に、抗酸化作用はあらゆる野菜に含まれています。同時に抗がん作用等も期待されますが、その効果は今だ未知数と言ったところです。

つまり幅広く期待できる効果は抗酸化作用であり、アンチエイジングや美肌効果に直結します。美肌に最高ぅ!的な魅力的な売り文句の野菜スープは、このファイトケミカルの効果です。

野生の自己防衛機能によって抗酸化力を発揮するトマトさん

そして本記事の目的は、これらの効果を最大化すること。そのために必要なのはハーバード式スープの、効果的な具材選びと作り方を極めることです。

あまり聞き慣れない、『ハーバード式スープ』という謎のスープ。これはファイトケミカルを生かすスープであり、まずは基本作り方からご覧ください。

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ハーバード式ファイトケミカルスープの作り方

ハーバード式ファイトケミカルスープの作り方

ハーバード式野菜スープ。

これは端的に言えば、ファイトケミカルを活用するスープです。つまりお野菜の栄養素を存分に生かした、THE・健康スープです。

その細かな効果や内容は書籍化されるほど細分化されていますが、しかし基本は非常に簡単で速攻作れます。まずはこのスープには、以下の目的が存在します。

ハーバード式野菜スープの目的

まず大切なのは、できるだけ高純度なファイトケミカルスープを作ること。そしてスープにすることで、毎日簡単に飲めるようにすることです。

では早速、その作り方とポイントを一気にまとめてみましょう。以下の行程を順守していただければ、基本はバッチリです。

ハーバード式野菜スープの基本の作り方

作り方の基本

  1. 野菜を4種類100gずつ用意する
  2. 芯を取り除き、一口大にカットする
  3. 水1ℓに野菜を加え、蓋をして強火で煮る
  4. 沸騰したら弱火に変更して、約20分~30分煮込む

※煮込み時間の差は、栄養素の失活(後述)による

まずこの様に、作り方はいたって簡単。放置時間は長いですが、基本はチャルメラ並にイージーです。

そして使用する食材に関しては、4種類だけに固定するというご意見もあります。しかしお好きなお野菜を使って良いというご意見も多いため、ご自由にお選びください。

ただ前述のように、ファイトケミカルは色々な野菜に存在します。そのためここからは、多数の野菜を使う前提とさせていただきます。

全ての野菜が代々伝わるファイトケミカルを持つ野菜学級

まずハーバード式ファイトケミカルスープには、大切なポイントがあります。以下のポイントをお守りいただくことで、より効果的なスープが作成可能です。

ファイトケミカルスープの作り方のポイント

  1. ファイトケミカルは揮発性のため、必ず蓋をする
  2. 皮ごと使用するため、できるだけ無農薬の野菜を使う
  3. 塩などの調味料は使用せず、野菜の成分のみを抽出する
  4. 必ず皮ごと煮込み、ファイトケミカルを余すところなく奪い取る
  5. 飲むのはスープだけ
  6. 保存は冷蔵1日・冷凍2週間
まず味付けに関しては、まさかのナッシング。素材の味を楽しみましょうとの、開発者様からのお言葉です。

しかし禁止されているのは塩気だけであり、香辛料はOKとの意見もあります。そのため黒胡椒・カレー粉・クミンなどの香辛料は、是非使用してみましょう。私はいつもカレー味に仕上げていました。

さらに冷蔵すると風味が落ちてしまうため、その日のうちに飲んでしまうこと。ただし冷凍すれば約二週間保管できるため、非常にお便利です。

そして最大のポイントは、皮ごと煮込むこと。さらに飲むのはスープだけで、具材は一切食べないものとされています。

栄養素だけを抽出され唖然とするハーバード式スープ完成後の野菜達

これらのストイックな制約は、より高純度なファイトケミカルのみを抽出するため。吸水性の高い水分のみで作成することで、その効果を高められるのです。

ただそこまでストイックでなくても、後で具材はコッソリ食べてしまいましょう。もったいないですから。

では最後に、その効果的な飲み方もご覧ください。これらの要素を遵守すれば、きっと明日の朝はファイトケミカルまみれでしょう!

ハーバードスープの効果的な飲み方

  1. 基本は一回当たり200mlを温めて飲む
  2. 血糖値の上昇を抑える目的ならば、食前に飲む
  3. それ以外は食事の前後・食事中に飲む
  4. 基本は、1日1~2回飲む
  5. ダイエット目的なら、1日2~3回飲む
  6. 免疫力向上目的なら、1日3~4回飲む

作って・保管して・毎日飲む。

ご覧の様に、その飲み方はまるでドリンク。ファイト一発ならぬファイト・ケミカル!の掛け声と共に、ゴクリと飲んじゃいましょう。

継続しやすいシンプル行程だからこそ、その効果も大変得やすい。まるでファンケルの青汁の様に、コクコク毎日飲みやすいのです。

つまりハーバード式野菜スープは、簡便さも追及したスープであるということ。この簡単さこそが、多くの人々に支持されている理由です。

では次に、このスープの効果を最大化しましょう。実はこのスープ、様々な裏技ポイントが潜んでいるのです。

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失活を軽減するには?

失活を軽減するには?
ファイトケミカル最大の壁。

それは野菜に含まれる栄養素を、どれだけ大量に残せるか。そしてその栄養を、いかに効率良く摂取できるかです。

実はこのハーバード式野菜スープ、単純に煮込むことで栄養素が失活します。失活とは、その名の通り活動を失うです。

失業」「失敗」などの漢字から連想できる通り、決して楽しい現象ではありません。つまり彼らの売りである抗酸化作用等が、熱により効果を減らしてしまうのです。

お湯の中で栄養分が熱分解され抗酸化作用の喪失を憂う人参さん
そしてその失活は、ほぼ全ての野菜に起きます。残念ですがこのスープは、基本的に効果を最大化しづらい調理法なのです。

まず最初に、ハーバード式野菜スープの基本は煮込むこと。これは水を加えて加熱する方法であり、湿式加熱という調理法に分類されます。

そしてこの調理法には、メリットとデメリットが存在します。それはファイトケミカルを生かす要素と、逆に抑える要素になります。

ハーバード式のメリットとデメリット
まず長所は、煮込むことにより野菜の細胞壁が破壊できることです。つまり熱で破壊された細胞壁から、栄養素が周囲の水分へ溶け出すということです。

これによりカルテノイドの変性など、栄養分の抽出力の向上が期待できます。ハーバード式ではこの特徴を生かし、野菜の栄養分を取り尽くすのです。

加熱処理により野菜の細胞壁を柔らかくし、その栄養素を沁みださせる。これが野菜を長時間煮込むことの、最大のメリットと言えるでしょう。

熱で軟化した細胞壁から飛び出す野菜由来のファイトケミカル坊や
そして次は短所に関しては、前述の失活問題。つまりファイトケミカルの熱分解に関してです。

これはその名の通り、熱によって栄養分が分解されてしまう現象です。つまり熱により抽出力が高くなる一方、成分も低減してしまうのです。

そしてその分解率は、多くは煮込み時間に比例します。様々な野菜で軽度な損失(50%未満)から重度な損失(80%未満)が確認されています。

ただ特定の野菜特定のファイトケミカルでは、熱により失活しない、もしくは失われづらいことが確認されています。全てのファイトケミカルが熱により大幅に分解されるわけではなく、特定の野菜には熱に強いファイトケミカルも存在するのです。

熱に強い野菜と熱に弱い野菜
つまりハーバード式野菜スープの効果を最大化するには、単純に失活しづらいファイトケミカルを選ぶこと。どの野菜どのファイトケミカルを摂取したいか、前もって確認しておくことが重要です。

前述のようにファイトケミカルには、星の数ほど種類があります。そして全てが一様に抗酸化作用を持ち、複合的に他の効果も持っています。

そのためご自身の目的に応じて、欲しいファイトケミカルをご選択ください。そしてさらにそこから失活しづらい野菜を選んでいただくことが理想です。

欲しいファイトケミカルを決めてスープに使うお野菜をチョイスする図
さらにその根拠を、研究データに基づいた論文に求めましょう!これにより、より効果的なスープがご作成いただけます。

では早速、各ファイトケミカルの失活しにくい野菜に見てみましょう。一体どの野菜が、最後にリングに立っているのでしょう。



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カルテノイドの失活

カルテノイドの失活
まず抗酸化作用抗がん作用免疫向上を持つ、カルテノイドをゲットしたい場合。このカルテノイドは多くのデータで、軽度の損失(30%未満)が確認されています。

特に穀物に含まれるカルテノイドは、熱処理により大幅に減少してしまいます。しかしカルテノイド中のルテインを持つほうれん草ケールは、カロテノイド中で最も安定しており、特に長時間煮込みに顕著な耐性が確認されました。

さらに意外なところで、カボチャ赤キャベツカリフラワー。彼らは6分超の煮込み時間により、カルテノイドの抽出力を増大させています。

ハーバード式野菜スープでカルテノイドの効果を得るなら、これらのお野菜をお選びください。

カルテノイドの失活

フラボノイド・ポリフェノールの失活

フラボノイド・ポリフェノールの失活
次に抗酸化作用・免疫補助・解毒酵素生成等の効果を持つ、フラボノイド・ポリフェノール。これは非常に多数の野菜に含まれる成分であり、まさにどこでもファイトケミカルと言える成分です。

そして残念ながら、この成分は長時間の煮込みによって失活しやすい特徴があります。特に約30分を超える煮込み調理では、平均50%もの失活が記録されています。

この成分に関しては、煮込みではなく蒸し調理が推奨されています。そのためハーバード式では、失活する前提が求められるでしょう。

ちなみにフラボノイドとは、ポリフェノールに含まれる成分です。その構造は糖と結合して水に溶けやすく、煮込みに適している見解もあります。

特に春菊・ゴボウ・ナス・モロヘイヤ等のお野菜では、熱分解されるものの、その成分の多くがスープ中に溶けていることが確認されました。

つまり熱分解されただけでなく、スープに溶け出しているということ。これらのお野菜もまた、選択肢の一つとして活用できるでしょう。

フラボノイド・ポリフェノールの失活
~参照文献~
新鮮なほうれん草の抗酸化成分に対する収穫後の貯蔵および加工の影響



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イソチオシアネートの分解

イソチオシアネートの分解
そして次に、抗酸化作用・解毒作用・抗がん作用などを持つイソチオシアネート。この成分はブロッコリーなどに多く含まれる成分ですが、基本は失活してしまいます。

調理時間が長くなるほどに、比例的に分解が確認されています。さらに研究では逆に増加する野菜はほぼ無く、失活が前提とされてしまいます。全く失活させずに吸収することは難しいかもしれません。

リグナン(ポリフェノールに分類)の失活

リグナン(ポリフェノールに分類)の失活
そして最後は、ゴマなどに多く含まれるリグナンです。このファイトケミカルには、抗酸化作用を始めとする更年期障害・肥満・骨粗鬆症の予防などの効果が期待されます。

そしてこのファイトケミカルをハーバード式スープで摂取するなら、 根菜や葉セロリにおいて約1.7倍もの増加が確認されています。多くの野菜で失活率が注目される中、まさかの増加しているのです。

そのためリグナンを摂取するなら根菜、もしくは葉セロリが理想的。サプリとしても販売されるほどの成分ですから、その効果には期待が持てそうです。

リグナン(ポリフェノールに分類)の失活
そして各論文を確認する中で、残念な野菜達もいらっしゃいました。それが穀物と豆であり、彼らは湿式処理でその力を大きく減らしてしまいました

もしかすると今回、君たちの出番は少ないかもしれませんね…。大変残念ですが、彼らには他の雑炊や具だくさんスープでご活躍いただきましょう。

ハーバード式では活躍の場が減り 元気なくなっちゃう穀物と豆類さん

何と奥が深い、野菜スープ。

野菜達の効果を最大化するための、研究者様の研究結果。そのおかげで私たちは、より効果的な食事が楽しめます!

またこれらのファイトケミカルは、サプリでもご享受いただけます。お忙しくて時間が取れない時には、それらのサプリをご活用いただくのも一つの選択肢です!

さらには最初から作ってある野菜スープも、やっぱり便利です。ちなみに私がいつもお中元に利用させていただいているのは、こちらの『野菜をMOTTO!』様です。

こちらはファイトケミカルスープとは少し異なりますが、シンプルにめっちゃ美味しいのです。自作のファイトケミカルスープと比較すると、お恥ずかしながら月とダンゴムシと言ったところ。

ちょっとした贈り物にも使え、常温保存OKレンチン80秒で食べられる無茶苦茶な優れもの。その利便性に久し振りに感動した逸品のため、是非ご紹介させください!

宜しければ、是非この機会に覗いていただければ幸いです。きっと野菜スープ生活が、もっと美味しく最高なものになるでしょう。





ありがとう、ファイトケミカル。

いずれにせよ、気楽な方法がやっぱり最高。一回スープを作って、まずかったら辞めるくらいの感覚が楽なのかもしれません。

目指すは、高田純次先輩。もしくはLINEのサリー師匠くらい、気楽に生きたいものですね!

じゃ!明日もモリモリ食べ野菜(*‘∀‘)!

※本記事は各成分の有効性を保障するものではなく、イラストは実際の化学式や構造等を表すものではありませんので、何卒ご容赦ください。

全体参照論文:野菜の植物化学物質含量に及ぼす調理の影響~

イラストで分かるハーバード式ファイトケミカルスープの超効果的な作り方

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