糖と脂肪の吸収抑制。
ダイエット中に愛用される、糖質カットサプリ。そしてその一つに、ギムネマ・シルベスタという成分があります。
この記事では、そのギムネマのダイエット効果と副作用を。徹底して分かり易く、イラスト付きでご説明させていただきます!
- ギムネマの効果と副作用を、イラストで分かりやすく理解する
- ギムネマ製品の、効果的な飲み方をおさえる
- ギムネマを含有するカロリミットの、リアルな評判を確認する
ギムネマとは?
ギムネマ・シルベスタ。
まるでハリウッドスターのような、その素敵なお名前。あの有名なカロリミットにも含まれるこの成分は、一体どんな成分なのでしょう。
まずは、その謎に満ちた正体からご紹介します。
- 主成分ギムネマ酸を売りにする、ホウライアオカズラ属のハーブ
- インド原産のキョウチクトウ科であり、東南アジアの熱帯地域で生成される
- グルマール(糖を壊す)という別名を持つ、糖質の吸収を抑える効果を持つ
ご覧の様に、ギムネマとは元々ハーブ科の植物です。そしてその効果を見込まれ、機能性表示食品であるカロリミット等にも含まれています。
しかしインド原産とは、なかなか効果の期待できそうな出身地です。高校バスケに黒人選手が登場するくらいのインパクトです。
さらにグルマール(糖を壊す)の通り、糖尿病患の治療にも使われた歴史があります。最初に飲んでみた人は、なんと勇気のある人なのでしょう。
そしてこのギムネマには、以下の効果が謳われています。これはギムネマサプリの販売HPにも記載されている効果であり、興味をそそられるものばかりです。
- 体内への糖の貯めこみを防ぐ
- 血糖値上昇を防ぎ、糖の吸収を穏やかにする
- 便秘を解消し、脂肪の吸収を穏やかにする
- 甘いものに対する欲望を抑える
「甘いものをいくら食べても大丈夫!」「外食時の強い味方!」「お仕事で疲れた自分へ、美味しいご褒美を!」そんな売り文句が、各公式ページの随所に列挙されています。
なんとも裏技っぽい、これらの効果。もし全て事実なら、私はとんでもないパンドラの箱を開いてしまったのかもしれません。
ではここからは、ギムネマの効果と副作用を徹底してご紹介します。ギムネマの体内での働きを理解し、同時に安全性も確認しましょう。
ギムネマのダイエット効果
糖の吸収を穏やかに。
ギムネマにはそんな売り文句がありますが、この働きを理解するには、体内に糖が吸収される過程を理解しなければなりません。簡単にご説明しましょう。
炭水化物(糖)が体に吸収される仕組み
そして炭水化物の分解方法は一つではなく、複数あります。まず最初は小腸にいるαグルコシターゼに結合され、分解されるパターンから見てみましょう。
これがまず、一つ目の炭水化物の分解パターン。小腸で待ち構えるαグルコシターゼによって、単糖類に分解されるパターンです。
そしてこの分解によって、炭水化物が糖として体に吸収される下準備が整うのです。逆に言えば、単糖類まで分解されなければ、炭水化物は体内に吸収されにくくなるということです。
その光景は、まるで居酒屋に飛び込む新橋のサラリーマン。次々に吸収される糖達の姿は、まさに圧巻です。(見たことないけど)
これこそが、ダイエットで回避したい「脂肪がつく」という状態。そして炭水化物ダイエットや糖質制限では、この状態を回避するために摂取する炭水化物自体を減らすのです。(※ケト体質にする目的もあり)
簡単ではありますが、ここまでが炭水化物が体内に吸収される工程です。『酵素に分解される』『細かくされる』『吸収される』という3ステップです。
ではこれを踏まえて、ギムネマはどのように糖質の吸収を穏やかにするのでしょうか。ここからはギムネマの体内での働きっぷりをご覧ください。
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体内でのギムネマの働き
ご紹介したように、単糖類(元炭水化物)が体内に吸収されるには様々な工程が必要です。そして逆に言えば、体内吸収を抑える方法も複数存在するのです。
ここでは本記事に関連のある、以下の2種類をご覧ください。
- 炭水化物の分解を邪魔する
- 分解された単糖類(炭水化物)の吸収を抑える
そしてその分解させない相手は、先ほど登場した炭水化物の分解屋αグルコシターゼ。この成分を阻害すれば、物理的に炭水化物が単糖類に分解されにくい環境が整います。
前述の炭水化物を単糖類に分解させない作用も、もちろん完ぺきではありません。しかしギムネマは、防ぎきれなかった単糖類の小腸での吸収を抑えようとするわけです。
つまりサプリ等で謳われる効果によると、ギムネマは『炭水化物の分解を緩和』さらに『小腸からの吸収も穏やかにする』ということ。なんと厳しいチェック体制、税務署みたいですね。
しかし残念なことに、ギムネマに関する文献では単糖類の吸収自体を緩和する効果に関して非常に曖昧な文献や表現が溢れています。
- 小腸から糖が吸収されるのを緩やかにする
- 小腸での糖が吸収される穴に先回りする
上記のような記載は多数ありますが、具体的に『どう塞ぐのか』『いつまで塞ぐのか』『そもそも塞いで大丈夫なのか』など様々な疑問が残ります。そのためギムネマの効果は、前者の①炭水化物を細かく分解させないが中心となるのかもしれません。
しかしこちらも少し、ご覧ください。②単糖類の吸収自体を緩和するに関しても、以下の興味深い発表が存在します。
- 小腸の担体タンパク質にギムネマ酸が結合し、糖の吸収を抑制することに対する実験で、ギムネマ酸を投与すると血糖値の上昇が抑制された
- ギムネマ酸は糖の吸収だけでなく、脂肪酸の吸収抑制作用があることが判明。脂肪酸も吸収が抑制されるのであれば、食べ物の大部分の吸収を抑えられ、肥満防止、生活習慣病予防に効果があると考えらる
- ブドウ糖だけでなく、マルトース(麦芽糖)に対する吸収抑制作用も判明
- 糖尿病治療薬「アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害剤)」とギムネマ酸の比較実験ではα-グルコシダーゼ阻害剤はわずかな時間の腸管洗浄で効果が消失されたが、ギムネマ酸は洗浄してからも2時間近く糖質の抑制効果が持続した。
これはつまり『ギムネマが小腸の糖吸収を穏やかにするか?』という疑問に対する実験です。しかし明確に「ギムネマが小腸で糖が吸収されるのを邪魔した」とは明記されておらず、「ギムネマ酸を投与した結果、血糖値の上昇が抑えられた」と表現されています。
つまりαグルコシターゼの働きを抑制したことにより、血糖値の上昇が抑制された可能性も残ります。いずれにしても「単糖類(炭水化物)の吸収自体を緩和する!」と明言するのは、少しだけ控えさせてください。
ここではラットを使った実験でも「糖質・脂肪酸の吸収を50%抑制した」とされています。加えてマルトース(麦芽糖)の吸収抑制効果も研究されているようです。
脂質と糖の吸収抑制に関して、これほど幅広い効果が期待されているとは…。グルマール(糖殺し)の名前は、伊達じゃありませんね…( ゚Д゚)!
糖の吸収を穏やかにし、さらには脂質の吸収すらも緩和する。これはギムネマが、腸内で糖と脂質をばんばんスクリーンアウトしているイメージです。
キミがカロリミット等の機能性表示食品に選ばれる理由が、よく分かった気がします。こんなにも「糖質吸収を穏やかにする業界」の出木杉君だったとは。
さらに機能性表示食品等のギムネマには、別の効果も期待されています。それが間接的・直接的なダイエット効果に繋がる、『甘味のカット』です。
ギムネマの甘味カット効果
そしてこれはギムネマに含まれるグルグロン酸の効果であり、この成分はブドウ糖とよく似ています。このグルグロン酸は甘みを感じる味蕾にくっつき、味蕾が他の甘み成分を感知しにくくしてしまいます。
そして不思議なことに、これは苦みや辛みなどの味覚には反応しません。あくまでも甘み感覚のみを感じなくさせてしまうのです。
この効果は、ギムネマ茶などを飲んで数分で体感できます。ただその効果は永続的ではなく、約1時間で通常の味覚に戻るとされています。(体感的にもそのくらい)
そして多くのギムネマサプリでは、この効果で甘いものの摂取機会が減ると記載しています。それをダイエットに繋がる有効な手段として、一つの売りとしているのです。
確かに甘さを感じないのであれば、積極的に甘いものを摂取する機会は減るでしょう。ただこの効果で糖の吸収が抑えられるわけではない点は、注意が必要です。
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