1日2万回。
もし理想的な呼吸なら、体質を変えるチャンスは1日2万回。逆に体が求めない呼吸を無意識に続ければ、その悪影響は少しづつ蓄積されてしまいます。
疲れを感じにくく痩せやすく、さらに運動パフォーマンスもガッツリUP!東洋医学には、そんな魅惑の呼吸法が存在します。
それが理想的な呼吸法の一つ、腹式呼吸。本日はそのメリットとやり方を、イラスト付きで分かり易くご紹介させていただきます!
- 腹式呼吸の仕組みとメリットが非常に良く分かる
- 腹式呼吸の激効果的なやり方が分かる
- 腹式呼吸が身に付くまでの、一般的な流れが分かる
そもそも腹式呼吸とは?
まず最初に、腹式呼吸は意外なほどに簡単です。なおかつ痩せ体質・運動機能向上・安眠効果と効果は高く、猫背改善と同じくらいお勧めしたい習慣です。
なぜなら腹式呼吸は鼻呼吸と同じく、365日24時間繰り返す習慣だから。そのため一度習慣化されれば、24時間発動される相棒的な習慣だからです。
呼吸は胸式と腹式の二種類
ではまず最初に、各呼吸法の特徴からご覧ください。まず普段の呼吸法には、大きく分けて『胸式呼吸』と『腹式呼吸』が存在し、使用する筋肉と場所に違いがあります。
一つ目の『胸式呼吸』は主に肋間筋で肋骨を開閉し、肺を左右に拡張することで呼吸します。連動して肩も左右上下に変動し、さらには喉が閉まり胸も膨張する点が特徴です。
この呼吸法は女性の方に多く見られ、妊娠時や呼吸困難時には『背中』『腹部』『頸部』なども連動して動きます。いわば体中の色々な場所が、せわしなく動くイメージをお持ちください。
そして『腹式呼吸』は、主に肺の下の横隔膜を上下に動かすことで呼吸します。こちらは「お腹を膨らませたり凹ませたりする」と表現されることも多い、腹部の圧力を使った呼吸法です。
この呼吸法は、胸式呼吸とは異なり非常にシンプル。実際に動くのは横隔膜だけであり、体への負担が少ない呼吸法として有名です。
さらに実際は女性が胸式呼吸で、男性が腹式呼吸!と、性別によって呼吸法が決まっているわけではありません。多くの方は胸式呼吸と腹式呼吸を足した、『胸腹式呼吸』でスーハ―しています。
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胸式呼吸と腹式呼吸の特徴
まず胸式呼吸には、以下の特徴とメリットがあります。この呼吸法は特にスポーツ等で酸欠になった際、酸素をマッハで取り入れる際に活躍します。
- 素早く呼吸ができる
- 胸筋付近のインナーマッスルが鍛えられる
- 肺や上半身が左右に揺れない
- 横隔膜が刺激される
- 呼吸時に腹圧が上がる
- 呼吸自体に酸素を使わない
- 呼吸数が少ない
正直この特徴だけ見ても、何が良いのか全く分かりません。特に『横隔膜が刺激される』と言われても、しゃっくり100連発くらいしかメリットが思いつきません。
ただご腹式呼吸のこれらの特徴こそ、実はどえらいメリットを秘めています。『疲労回復』『ダイエット効果』『運動パフォーマンスの向上』など、大幅な体質改善を享受できるのです。
腹式呼吸の特徴とメリット
まず腹式呼吸のメリットには、多数の科学的根拠が存在します。それには腹式呼吸の以下の特徴を、構造学的に分析する必要があります。
- 肺や上半身が左右に揺れない
- 横隔膜が刺激される
- 呼吸時に腹圧が上がる
- 呼吸自体に酸素を使わない
- 呼吸数が少ない
肺や上半身が左右に揺れない
つまりこの特徴は、前述の『疲労回復』のメリットに繋がる要素。毎日2万回も繰り返される行動だからこそ、動きが最小限の呼吸法が理想的であるようです。
横隔膜が刺激される
そしてこの刺激は、昼夜のモード切り替えを促進する『覚醒モード』を引き起こします。これは日中しっかり目が冴えて、夜はグッスリ眠りやすくなる理想的なリラックス状態に繋がります。
※自律神経=交感神経・副交感神経
まとめると『横隔膜が刺激される』という特徴は、『疲労回復効果』に直結します。いきなり疲労回復効果を2連発してしまいましたが、在庫は大丈夫でしょうか。
呼吸時に腹圧が上がる
まず腹式呼吸で空気を吸うと、横隔膜が引き下げられます。すると腹部の胃や肝臓などの内臓を収納する『腹腔』に圧力がかかり、それが外側への圧力を生み出します。
この外部への圧力のことを『腹圧』と呼び、この腹圧が以下のメリットを生み出すのです。
- 体幹・脊柱が安定し、姿勢が恒常的に改善する
- 体幹・脊柱が安定し、内部に走る神経が保護される
- 小腸・大腸が適度に圧迫され、排泄が促される(便秘改善)
- 内臓の適度な圧迫により、血流改善➡代謝促進につながる
特に女性には便秘症&胸式呼吸の方が多く、それも腹圧が低すぎることも一つの理由だと考えられています。その点腹式呼吸は一日数万回も腸を軽く圧迫するのですから、そりゃ腸さんも頑張っちゃうわけです。
呼吸自体に酸素を使わない
まず胸式呼吸は前述の通り、肋間筋を動かし肋骨を拡張・開閉する呼吸法です。肺自体は筋肉ではなく自分で動けないため、肋骨等の周辺部位が動かしてあげる必要があります。
つまり毎呼吸に肩・肋骨・肋間筋等をフル活用するため、呼吸自体の燃費が非常に悪い。なんと全体酸素消費量の約35%も使用してしまう、超酸素食いモンスターなのです。
そして酸素を使い過ぎない分、体の隅々まで栄養を運び易くなります。さらに十分に栄養を届けられた内臓の機能も正常化され、基礎代謝UPからのダイエット効果にも大いに期待できます。
つまりこの『呼吸自体に酸素を使わない』という特徴もまた、『疲労回復』と『ダイエット効果』に繋がる要素。ダイエットに影響のある特徴が二回連続で登場し、私とっても嬉しいです(*‘∀‘)!
呼吸数が少ない
まず胸式呼吸に関しては、その呼吸構造から呼吸時の肺拡張が比較的狭い。それは横隔膜の上下運動がないため、下へ膨張できない点が大きな原因です。
そして胸式呼吸の場合、一回当たりの換気量(空気の入れ替え量)は約250ml程度。その点、横隔膜の上下運動で肺の下にも広場を作れる腹式呼吸の換気量は、まさかの一回当たり約500ml。
なんと約2倍もの超効率で、空気をガッツリ取り入れることができるのです。(※実験・報告により換気量に差異あり)
もしタコと水中で戦う前に一瞬だけ空気を吸えるなら、絶対腹式呼吸にしましょう。その方が倍の時間、タコと戦えます。
換気量が呼吸数を減らす
その具体的な呼吸回数は、胸式呼吸が1分当たり12回~24回。そして腹式呼吸が1分当たり6回~12回と、呼吸回数でも約二倍の差が生まれます。
しかし腹式呼吸が呼吸数を減らすことに、一体どんなメリットがあるのでしょう。そう考えて調べてみると、何だか面白いことになってきました。
呼吸数が減少するメリット
ここからご説明する内容は、決して呼吸自体を否定するものではありません。そもそも呼吸をしなかったら、私も5分で祖母と再会します。
ここでお伝えしたいのは、過度の呼吸回数が想像以上に負担がかかるという事実です。呼吸を減らしまくれば良い!というものではなく、適切な呼吸回数を目指そう!という見解です。
では早速、なぜ呼吸数が少ないことが良いのでしょう。まず私達が呼吸をする最大の目標とは、ズバリ酸素の確保です。よく宇宙漫画で『さ、酸素…(;´・ω・)!』と主人公が仰っているが、酸素が無くては生きていけません。
しかしそれと同じくらい重要なのが、実は二酸化炭素です。これぞ主役に隠れて重要性に気付かれにくい、呼吸における影の支配者です。
しかし実はこの二酸化炭素、以下の重要なお仕事を持っています。つまり酸素と同じく、二酸化炭素もまた生命を維持する上で不可欠な成分なのです。
- 体細胞に血中酸素を放出する
- 血液のPH値を調節する
- 気道と血管壁の平滑筋を拡張する
二酸化炭素が酸素を運ぶ
中にはビタミンB12の様に、ヘモグロビン自体の増加を目指すサプリも存在します。ただ実際にもっと重要なのは、ヘモグロビンが酸素をせっせと運搬するためのエネルギー源の存在です。
そしてそのエネルギー源こそ、呼吸で体内に取り入れた二酸化炭素。この二酸化炭素が不足すれば、ヘモグロビンが酸素を手放してくれなくなってしまうのです。(※低炭酸ガス血症)
そうすれば体内に酸素が十分に供給され、ダイエットに最適な基礎代謝UPや運動機能向上効果が期待できます。これは多くの方が未改善の要素であり、プロ選手からの注目も多い有効なパフォーマンス改善策の一つです。
二酸化炭素が体内のPHを決定する
もし体がPH7.365を下回ろうとすれば、酸性過ぎぃ(;´・ω・)!と肺は呼吸で二酸化炭素を体から追い出し始める。逆にPH7.45以上のアルカリ性に傾いたなら、二酸化炭素少なすぎぃ(;´・ω・)!と体は呼吸数を減らすのです。
おお怖っ…(;´・ω・)
さらにこの『アルカリ性である ➡ 呼吸数が増える』という理屈には、当然逆パターンも考えられます。つまり『呼吸数が増えた ➡ アルカリ性になる』という、呼吸がPH値を変えるケースです。
つまり呼吸数が増えすぎると二酸化炭素の排出が増え、体内は常時アルカリに傾くことに。そのため腹式呼吸の『呼吸数が減る』という特徴は、体内から理想的なPH環境を作るうえでも大変重要と考えられます。
この『過呼吸』も、呼吸回数が多すぎることで体内の二酸化炭素濃度が低下し、脳から呼吸抑制指示が出されている状態です。結果的に呼吸自体ができなくなり、呼吸したいのに呼吸ができないという問題が生まれます。
それほど体は適切な呼吸回数を求めており、その理想となるのが腹式呼吸の呼吸回数。ただ中には逆腹式呼吸が最強だぁ(*‘∀‘)!等の見解も見られますが、腹式呼吸自体の有効性は広く認知されていると考えて間違いありません。
凄いぞ腹式呼吸さん(*‘∀‘)!
姿勢が良くなる!程度に考えていましたが、どうやら体内整備のプロフェッショナルでいらっしゃるようです。では最後に、大変効果的な腹式呼吸のやり方もご覧ください。
腹式呼吸のやり方と習慣化
もし腹式呼吸をマスターしようとお考えなら、それは意外と簡単です。なぜなら私たちは本来腹式呼吸であり、成長と共に大多数の方が胸式呼吸に変化してしまっているだけなのです。
つまり体は腹式呼吸の感覚を覚えており、その感覚を取り戻して習慣化し直すだけ。何年もかかる重労働ではありませんので、是非この機会に再習得してくださいませ。
また今回は通常の腹式呼吸だけでなく、前述の腹圧を高め続ける要素も加えます。ただ息を吐く際にお腹を凹まさないというだけのシンプルな1ステップですので、ご安心を。
- 仰向け・又は椅子に座る
- 肩と体の力を抜く(胸式呼吸を誘発しないため)
- お腹を膨らまして息を吸う(鼻呼吸推奨)
- お腹を膨らましたまま息を吐く(NEW!)※凹ませてもOK
- 1日の中で、これらを意識的に時々行う
※ポイントはゆっくりとした呼吸を意識すること
股関節マッサージのような激痛もなければ、やりずらい違和感もなし。ただ最も重要な感覚は、腹式呼吸を習慣にしようとする意識かも知れません。
そのため定期的に上記の腹式呼吸を行うか、もしくはトイレやシャワーの際にお試しいただくと良いでしょう。早い人なら僅か数週間で、胸式呼吸から腹式呼吸へのアップグレードが完了です。
腹式呼吸か出来ているかのチェック方法
- お腹に手を当てる
- 早いリズムで呼吸する(1秒間に1回程度)
- 毎回の呼吸時にお腹が凹んだり膨らんだりすればOK※
※腹圧を高め続ける腹式呼吸の場合は、変化なし
また個人的にも腹式マスターになりたくて、30回ほどの確認呼吸を行いました。すると過呼吸で死にそうになったため、皆様は適度な回数でお試しください。
ただ一度習得すれば、1日2万回もの最強エクササイズに進化します。費用対効果で考えても、エノキ先輩を凌駕するダイエット効果が期待できるのではないでしょうか!
ヨガや瞑想の本で拝見するたび、気になっていた腹式呼吸。呼吸法で激やせ必至(*‘∀‘)!と仰るトレーナー様もいらっしゃるように、その可能性は無限大です。
じゃ!腹式呼吸でタコと戦おうね(*‘∀‘)!