肌断食の目的⓷ 異物反応の低下
繰り返し訪れるニキビ・吹き出物たち、通称尋常性ざ瘡。 ペピオゲル・ディフェインゲル・ベンザック・ティーツリー、あらゆるアイテムがニキビ軍の前に倒れていった…。
数多くあるニキビ議論を拝見させていただくと、共通する一つの現象がございます。それはニキビを生み出してしまう、超・悪循環のことです。
まずニキビが発生する原因の一つに、抗炎症・抗菌・抗真菌対策が強すぎる点が挙げられます。つまりお肌がスキンケアに耐えられていない状態であり、ニキビ対策自体にお肌が損傷を受けている状態のことです。
付け過ぎです。結論を簡単に申し上げると、お肌は想像以上にひ弱なのです。
確かにお肌には腕や足と比べて皮脂腺が非常に多く、ニキビが生まれやすい箇所であることは間違ありません。しかしこれほど洗われて色々塗布されるのは、体の中でも顔だけです。
本当は直ぐ治っていたのかもしれない
ある日ホルモンバランスの崩れによって、顎に一つのニキビが誕生しました。名前は阿久根君、美肌が自慢だった美肌OL様を突如襲う、望まれぬ来訪者です。
しかし体内のホルモンバランスが原因で誕生した阿久根君は、さらにポコッとこんにちわ。友達が出来て、ファースト阿久根くんも嬉しそうです。
さらに抗菌・抗炎症作用の強い洗顔・化粧水を探し、ネットや口コミをチェックします。その過程で『超効果的だった(*‘∀‘)!』との絶賛口コミも発見し、様々なアイテムをゲットします。
先日までカウブランドの低刺激洗顔しかなかった洗面台に、ずらりと並ぶ対ニキビ兵器。そして個人輸入からは、ベピオゲルのジェネリック品の購入を検討するのも時間の問題です。
そして始まる、お肌への総攻撃。平和な田園風景が広がっていたお肌に、突如ナパーム弾が投下されます。
逃げ惑う阿久根君、襲い掛かるセラムCC弾。戦場となったお肌は、もはや壊滅寸前です。
数多くの美容専門書を拝見しても、洗顔はこすっちゃだめだよ( ˘•ω•˘ )!というレベルにもかかわらず。一つ一つを試すならまだしも、短時間で重ねるとお肌は高確率でギブアップします。
確かにニキビ予防効果はあるかもしれませんが、美肌そのものを生み出す土壌は損害を受けます。これは焼き畑農業の弊害と同じく、長期的に見るとマイナスだと言えるでしょう。
その結果、アクネ菌が原因ではない吹き出物も噴出します。つまり化粧品に含まれる刺激成分に炎症を受け、それらの吹き出物が赤く腫れあがるのです。
そしてそれをNEWニキビの発生だと捉えると、新しいニキビケアに手を出さなくてはいられない。個人的にも超共感できる、心からキツイ超悪循環と言えるでしょう。
しかし本来のお肌とは、我々の想像以上に刺激に弱い。幼稚園のもも組さんが作った積木のように、ちょっとの刺激で崩れてしまいます。
少し誇張が入り過ぎたイラストで、誠に申しございません。ただこれも本当に多い悪循環の一例として、ご理解いただければ幸いです。
そして肌断食では、ズバリ全てやめようという極論を構えます。今までのスキンケアを全て辞め、基礎・内部ケアからのニキビ治療を目標とします。
しかし実際に肌断食を選ぶのは、本当に難しい。折角買ったのに!というお気持ちや、何もしないで治るわけない!という疑問など、様々な感情が渦巻くでしょう。
そんなお気持ちも、後述のお肌断食の総括でまとめさせていただきました。そちらもお読みいただければ、肌断食が少し気楽になるでしょう。
その前にまずは、このセクションの総括を。肌断食の一つの目的である異物反応の低下とは、こういう意味です。
お肌って想像以上に弱いよね。もちろんニキビ対策用の化粧品は効果あるけれど、重ねて使うと本当にお肌が痛むよね。そしてアクネ菌が原因ではない炎症タイプの腫れものが、沢山できやすくなるよね…( ˘•ω•˘ )
参照論文:化粧品を取り巻く問題とオーガニックコスメ
International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook 2016
さぁ、肌断食トークも遂に終盤です!まだまだお伝えしたいのだけど、皆様も夕飯の支度を始める時間かも知れません!
最後は先ほど少しだけ触れた、肌断食による老廃物の排出効果。意外と猛烈に大切なこちらの効果をご説明し、本記事も閉幕とさせていただきます!
肌断食の目的④ 老廃物の排出
肌断食共通の目的は、この一言に尽きます。肌断食の最後の目的である老廃物の排出も、例外ではありません。
前述の通り、お肌とは再生と剥離を繰り返します。そしてその過程で自然なピーリングが行われ、最初から備わる高性能な保湿因子を形成します。
…どゆこと( ゚Д゚)?
まずお肌には皮脂があり、脂だけでなく汗・塩分・老廃物・有害物質を排出します。これは肌再生の過程で余剰に作られる成分であり、人で例えるところのうんこです。
そしてこれらは主に、角質層を含む表皮から排出されます。そのため肌に何も乗せないでね!という肌断食のルールは、老廃物の排出を邪魔しないでね!と言い換えることができます。
そして前述の界面活性剤や各種添加物、さらにコラーゲンやヒアルロン酸などの水分の蒸発を遅らせる成分も表皮を覆います。そしてほぼ全ての成分は表皮に浸透せず、角質層に留まるだけというのが事実です。
ただこれらの基礎化粧品に意味が全くないということではなく、角質層でのセラミド的保水役として大切なお役目を持ちます。基礎化粧品が全く役に立たないということは、断じてありません。
しかし問題は、基礎化粧品が塗布後にどうしても乾燥してしまうという、大自然のルールです。表皮層に存在する細胞間脂質とは違い、どうしても外付け基礎化粧品には乾燥・蒸発の運命が待ち受けます。
そしてこの乾燥と蒸発が、最も厄介。なぜならこれら現象には、肌の乾燥を追撃する要素が含まれているのから。
まず基礎化粧水に含まれる水分の蒸発により、角質細胞はペロリとめくれます。さらにそのめくれた隙間から、水分がドンドン蒸発してしまいます。
これは雨上がりの校庭などで良く見かけた、乾燥してめくれた土をイメージしてください。剥がしてブーメラン(*‘∀‘)!とか言いながら、江見君に投げつけたアレのことです。
まず粉末状になった基礎化粧品は、お肌の上にポツンと残ります。そしてその粉末は角質層(表皮層)の水分と結合し、お肌の保湿力を奪い取ります。
それはつまり、マラソン中にビスコを手渡すようにガッツリ水分をもぎ取るということ。つまり乾燥によって、結果的に塗布前より肌の保水力が下がる現象が起きる可能性があるのです。
これらは特に、成分の9割が水分で構成される化粧水に散見される現象です。昨晩もお風呂上りに化粧水をバシャバシャ塗布しましたが、肌断食の観点から見るとNGだったようです。
つまりクリーム等はお肌自体を覆い、化粧水等の水分系は乾燥を招く。老廃物排出もできないし、乾燥も招くからやめよう!というのが、基礎化粧品に対する肌断食の警鐘です。
そしてこれらをまとめると…。
お肌って色々排出してるから、覆わない方が良いんじゃない?あと水分の多い化粧水とかは、乾燥するときに角質めくっちゃうかもね?
あ、あとそうだっ!乾燥すると大抵は粉末状になるから、それも水分奪っちゃうかもしれないね( ˘•ω•˘ )?
思わずハトムギ化粧水を床に投げそうになった、私をお許しください。これほど肌断食の理屈を並べられたら、将来の夢が崩れ去りそうです。
その夢とは、結構高級な化粧水を買えるくらいお仕事頑張っちゃうこと。そしてやっぱSK-2だよね(*‘∀‘)!とか、ドヤ顔で言っちゃうことです。使ったことないけど。
しかし肌断食の効果は分かったけれど、実際は正直どうなのでしょう。何も付けない状態とは、スキンケアゼロということになるのですから。
流石にスキンケアゼロの状態が、スキンケア有りよりピカペカ肌になるわけがない。そうお考えの皆様に、本当に最後のお話をさせて頂きます。
肌断食の真実
様々な文献や研究論文、そして実践者様の口コミ。総合的に拝見させていただいて、一つの答えを提唱させていただきます。
肌断食の神髄とは、スキンケアを全くしないことではないようです。あくまで肌本来の力を呼び覚まし、その力を最大化する努力を並行して行うことです。
つまり暴飲暴食&牛乳石鹸洗顔でお肌ツルピカになるという、魔法のテクニックでもありません。はたまた巷の基礎化粧品を、根底から否定するものでもないのです。
要はバランスです。お肌が本来持つ保湿効果を、出来るだけ生かし、普段の生活に支障がない程度に基礎化粧品の頻度を減らすことが大切なのです。
たしかに中には、全てやめるべきだ!との強烈な意見も見られました。しかし多くの美容家様は、美容断食のような夜だけやめてみる?といった解決策を提示されています。
さらには併せて泥パックすると良いよ(*‘∀‘)!と、肌断食に他の手法をご提案される方もいらっしゃっいました。つまり最も大切なのは、皆様の生活スタイルと肌質に合わせて、肌断食も選択するということです。
スキンケアを選ぶのと同じように、肌断食の程度も選ぶ。これが最もストレスなく、より美しいお肌を作り上げるポイントではないでしょうか。
つまりは肌断食だけで美肌を実現しているのではなく、内部ケアも徹底されているということ。つまり肌断食とは、体中からケアし、それをしっかり結果に出す手法の一つではないでしょうか。
全てが水だけで作られているにもかかわらず、驚くほど保湿力も高い。同時に添加物も一切含まれていないため、超絶敏感肌の方でもご使用いただける化粧水です。
個人的に肌断食を実践していた時、これ一本だけを愛用していました。決してこの商品の回し者ではなく、あくまで愛用者の一人としてご紹介させてください!
肌断食って、本当に面白い。
足し算だけでなく、引き算によって効果を狙う。そしてその先には、肌本来の超保湿力が待っているとは…!
長々と書かせていただき、本当に有難う。そして沢山の情報をくれた美容家様、そして文献・研究者の方々に感謝します!
んじゃ!素晴らしい美肌ライフを(*‘∀‘)!
※本記事は各基礎化粧品成分の有効性を保障・否定・工程するものではありません。また特定のサプリに対する批評を行う意図もございません。イラストはイメージであり、本質的な構造を表現するものではありません。何卒ご容赦ください。
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